最終的には、疲れたら寝っ転がるのが一番、というお話

ご質問をいただきました。


皆さんにシェアした方が良さそうだと考えましたので、こちらでお答えしていきたいと思います。

私は身体が硬いので、床に座る場合、両足を前に出して座るのがキツイのですが、そういう人が座椅子に座って、背もたれに頼ってその姿勢をすることはどうなのでしょうか?

というご質問です。


結論から言いますと、寄りかかるのはオススメしません。


では、説明に入りましょう。


今、ヨギボーとかで、再び人気がでてますビーズクッションは、みなさん経験がありますか?

私は学生時代に持っていたんですが、気持ち良いですよね。

でも、次第に疲れてきます。


ビーズが減るせいだと考える方もいらっしゃるようですが、そうではありません。

これは構造的にラクではないっていうだけのこと。


試すほどのことでもありませんが、寄りかからずに、寄りかかっている時の姿勢を取るのは、なかなかシンドイですね?


寄りかかっているとき、それは軽減されているから、ラクに感じますが、同じ向きの力は、小さくなっているだけで、無くなったわけではなく、ずっとかかり続けているのですよ。


だから、自力で保てない姿勢は、基本的に全て後でしんどくなります。


ビーズクッション、ソファーなど、一見ラクそうに見えるものほど、角度が浅くなればなるほど、負担は増えますので、大体は腰に、その負担が蓄積されていきます。

身体を支えるのは、腰でも背骨でもなく、腹なんです。


支える骨っていうのは、腕や脚のようにしっかりしているべきで、背骨は支える役目の骨ではありません。


これはもう、4本脚の時代の構造のまま、2本足になってしまったせいなのですが。

4本脚の時代なら、脚が支えてくれていれば、胴体は脚に乗っかって、ぶら下がってれば良かったので、そもそも支える必要がありません。


背骨というのは、魚やヘビを見ていただくと分かりますが、推進力の源です。


これは哺乳類になっても同じことで、背骨が原動力となって、その力が四肢に伝わり、動くのです。


ところが、私たちは、2本足で立ち上がってしまいましたので、脚で支えるにしても、一番重たい頭を天辺に置いた状態で、胴体も縦に保って立たなければいけなくなりました。


上の記事でも書いてますが、これを筋肉で支えようというのは、大間違いのコンコンチキで、筋肉は、あくまで骨を動かす補助。


身体を支えるなんていう仕事は管轄外。


脊柱起立筋、なんて名前の付いた筋肉が背中にありますが、これも名前の付け間違い。


身体を支えるのは腹、っていうか、腹腔という構造です。


アレです。

ドーム球場みたいなもんです。


空気というよりは、身体の中の海で支えることになるので、油圧ジャッキの方がしっくりくるかな?


そうして、本来支えるべき腹(の構造)なんですが、寄りかかるときというのは、まず働かせません。

もしくは働かせられません。


だから、その分の負担が全部、腰に行くわけです。


小さい負担ですが、寄りかかる度にその負担が蓄積されていくことになります。


そんなワケで、寄りかかるというのは、オススメしません。


長時間座っていることでの弊害のひとつは、寄りかからないことで減らすことができます。


ただ、それだけではないので、完全に良い状態にはなりませんが、確実に負担をひとつ減らすことになりますので、重要な項目ではあります。


ただ、自分の身体を支えられない人がいます。


そういう人は、背中や腰で身体を支える方法に慣れてしまって、お腹にスイッチできなくなっています。


ですので、腹腔で身体を支える方法を、次にお伝えしますよ。


まず、逆腹式呼吸というのがあります。


腹式呼吸は吸うときに横隔膜が下がって、お腹が膨らみ、吐くときに横隔膜が上がり、お腹が凹むのですが、これを逆にする呼吸法。

吸うときにお腹を凹ませ、吐くときにお腹が膨らむ、逆腹式呼吸。


これはお腹の中がマッサージされるので、胃腸の調子が良くないとか、便秘がちの方にもオススメの方法です。


これができたら、今度は、吸うときも吐くときも、ずっとお腹を膨らませておきます。

これで支えるお腹が出来上がりました。


筒っていうのは構造的に強いんです。


だからお腹も凹んでいるより、広げてあげた方が支えやすくなります。


お腹って言っても、腹筋じゃありませんからね。

お間違いなきよう。


腹筋てのは、本来、四つ足の時に、内臓が垂れ下がらないように下支えするためのもので、立ち上がっちゃった私たちには、それ程重要な筋肉ではありません。

だから、基本的に鍛える意味もありません。


で、最後に、身体が固くて、足を前に出せない、ということですが、これは、座布団などを入れて、座面を高くして対処していただくのが良いと思います。

角度が付けば、少しラクになります。


座禅用の座布団なんてのも、そういう理屈ですね。

座面を高くすることで、足が組みやすくなります。


また、逆腹式呼吸で、股関節の可動も改善されてきますので、それで座りやすくもなってくると思います。


あとはですね、もう、疲れたら寝っ転がるのが一番なんですよ。

人間は真っ直ぐな身体になっているので、真っ直ぐな状態の方が、当然のことながら、ラクなんです。


だから、立つか寝るか。


座るのは曲がるので、本来的に得意な形じゃないんです。

ということで、今回は終わりです。


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