「良く噛んで食べる」という勘違い

「現代人は咀嚼が足りない」

などと言われます。


そりゃあだって軟らかいものばっかりですもん。

必要の無いことをする必要はありませんよね。


"食べる"というのは異物を摂り込む行為ですから、本来的には"同化"が必要になります。


周波数という考え方をすると、すべてのものは固有の周波数を持っています。

それを自分の身体から出す唾液と混ぜ合わせることで周波数を合わせ「自分」の一部として摂り込めるようになる。

ので、唾液を出す為に良く噛むことも大切なんですが。


人間は牙も無ければ爪も力も無い、非常に弱い存在です。

それが大脳新皮質が発達することによって、本能的な脳を覆い、火を恐れなくなり、抽象化することを覚え、など知力という武器を身に付けます。


火や道具を使えるようになったことで、今まで採れなかった食べ物を採ることが出来るようになり、今まで食べられなかったものが食べられるようになりました。


道具というのは爪や牙の外部化で、調理は消化の外部化です。

外部化したらその機能に身体が適応していくのは当然の話で。


飲み込めるんだったらわざわざ一所懸命に噛む必要も無かろうと。


一口何回噛めとか、流動食みたいになるまで噛め、と仰る向きもありますが、そんなことをしてたらどんどん胃が弱くなっていくだけです。


喰うってのはいのちのエネルギーをいただくことです。

それをもしょもしょと元気の出ない食べ方をしてたらそれこそいのちに申し訳ないってもんです。


食べ物を水分で流し込むというのは最も良くない食べ方だと思います。

ですが、飲み込める大きさになったら飲み込むのが生き物の道理です。


ただやっぱり噛む回数が少ないと、最初に言った"同化"が出来にくくなります。


逆流性食道炎なんかって言うのは、勿論食べ過ぎだから「喰うな」って話なんですが、それともうひとつ

「同化しきれてないから余計に消化液が多くなる」

という側面もあります。


反芻みたいなもんだ。


対処しきれないから

「どうにかしてくれよ」

って身体が言ってるワケですから、喰うのを減らすか、良く噛んで食べるかを選ばないと。


今「おいしい」の言い換えとして「甘い」「軟らかい」という言葉が使われますが、これらどっちも身体には良くないものです。

でもだからこそ「禁断の味」となっておいしく感じてしまう。


でも、そういうのばっかり喰ってっから不調になってるんですからね。


昔給食のパンを固く握って一口で食べたりしてましたが、近年流行ってる食パンなんかもあんなもんほとんど空気でしかないものに高いお金を払って。


しかも今使用されている小麦自体も、製粉技術によっても毒性が高まっている食材を「あまいやわらかい」と食べて、そしてどんどん不調になっているワケです。


「歯が必要無い、とろける」

ものばっかり食べておいて「不調になりました」ってそりゃそうでしょうよ、って事ですのでね。


「噛む必要の無い」食べ物ばかり世の中に溢れさせといて「良く噛め」っていうのは精神を狂わそうとしてるようにしか思えませんわ。


単純な話、良く噛むようになりたいんなら良く噛まなきゃいけないものを喰えば良いだけ。


「意志の力」なんてのはありゃしません。

そうなるようにしかならないんです。


生き物っていうのは不調になんかならないのが当たり前です。

その当たり前の身体でありたいのなら、今がどんな異常な食生活なのかを認めないとね。


バランスを崩しておいて、崩れたバランスをどうにかしようと考えるから難しくなるのであって、バランスが崩れないように初めからしてあげれば良いだけの話なんですよ。


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かいふく指南処【からはだふくらか】

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