名越康文『生きるための対話』より
引用させていただきます
-慈悲の瞑想-
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名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)
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2014年6月16日 Vol.078
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04塾通信(50)仏教の瞑想を一から学び直す
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(略)僕たちが世界を捉えるときには必ず妄想がくっついているな、
ということがわかってくる。
妄想っていっても、必ずしも奇想天外なものじゃないんですよ。
むしろほとんどの妄想というのは、世俗的で、スケールが小さい。
僕らはそういう小さなスケールの妄想を自分で作って、それに囚われている。
でも、そんなスケールな小さな怒りでも、それは僕たちの人生を停滞させて、
あるいは破壊させてしまう力を持っています。
瞑想はそうした妄想的な怒りから解放されるための、
一番手っ取り早い方法論ということがいえます。
お釈迦さま以前にもたくさんの人が取り組んでいたし、仏教の瞑想だけにかぎっても、
この2500年の間に何千万人の人たちが取り組んできた。そういう歴史のある方法論です。
ちなみに初期仏教にはもうひとつ、慈悲の瞑想というのがあります。
ヴィパッサナーが自分の内側を徹底して観察するのだとすれば、慈悲の瞑想というのは、
その前提になるような、やさしい心の状態を作るための瞑想です。
詳しいやり方は、やはり日本テーラワーダ仏教協会に載っていますので、
そこを参考にしてください。
日本テーラワーダ仏教協会「慈悲の瞑想」
http://www.j-theravada.net/3-jihi.html
最初はこんな感じですね。
私は幸せでありますように
私の悩み苦しみがなくなりますように
私の願いごとが叶えられますように
私に悟りの光が現れますように
私は幸せでありますように
これを3回唱える。
同じような五行詩が3種類あるので、それを、順番に唱えていくんですね。
その後の四行詩を2回繰り返すのが、けっこうたいへんかもしれないですね。
こんな感じです。
私の嫌いな人々も幸せでありますように
私の嫌いな人々の悩み苦しみがなくなりますように
私の嫌いな人々の願いごとが叶えられますように
私の嫌いな人々にも悟りの光が現れますように
私を嫌っている人々も幸せでありますように
私を嫌っている人々の悩み苦しみがなくなりますように
私を嫌っている人々の願いごとが叶えられますように
私を嫌っている人々にも悟りの光が現れますように
「嫌いな人の幸せを祈る」って、やってみるとけっこう難しいんです。
やってみて「うわ! これはきつい」と思ったら無理にやらないでくださいね。
もし、ある程度以上の明るさを保ちながら取り組めそうだったら、やってみてください。
ここまでやっておくと、かなり心はすっきりすると重います。
ヴィパッサナーと慈悲の瞑想については、興味のある人はぜひ、
テーラワーダ協会のホームページで見てみてください。
慈悲の瞑想には本当は「節」がついた歌のようになっているんですが、
それもただで聞けますし、ダウンロードもできると思います。
(略)
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